House facing the sea
2018.06 / Delivered
Private customer / Client
Aomori, Japan / Location
Masato Takahashi, Manabu Noro / Cooperation
127.73sqm
Hideki Makiguchi / Photographer
青森県東西部。岩手県との県境に位置し、美しい湧き水と、奥州南部糠部三十三所巡礼一番札所として寺下観音に祀られた観音像でも知られる階上(はしかみ)町に移住した60代の夫婦と、夏場だけ帰省して一緒に暮らすという長女のための木造の平屋。初めての住宅設計です。
内装の仕事と違って、建築の仕事では土地や周辺環境をゼロから読み取って計画ができることが醍醐味。
今回は坂道の途中にある、もともと森だった土地から見える海の景色を気に入った施主から「居間から海を見える家を」との要望もあり、海側には海に対して横に長い水平の窓を、裏手の森側にはいくつかランダムに配置された窓を設けました。
家の中心には廊下が通っていて、横に倒した煙突のように暖炉の熱を通す役目を果たすと同時に、廊下を挟んで左右に団子状に部屋が連なる、平屋らしいシンプルなゾーニングとなっています。
素材には外壁に青森の県産材である杉を使用。年月をかけて変化をし、その場所に馴染むような素材を選定しています。屋根には地元の農家の納屋などに使われてきた板金を使用。素材の元来の色であるシルバーを塗装することなく、そのまま採用することで空の色を映し、晴れた日は青色、曇りの日は陰った色となり、自然に溶け込みます。
また、入り口には丸太をそのまま使った柱を立て、力強い印象を生み出している一方で、屋根に配した板金の厚さを薄くし、勾配の角度を少しきつくすることで、現代的にみせています。外壁に用いた杉の割付もなるべく細く、角の収めも簡潔に仕上げることで、端正な印象を作り出しています。
ディテールに配慮することで、洗練された山の家をつくることができたと思います。また、凛とした佇まいは自然素材というコントロールできないものの許容と共存で強度を増しています。
内装の仕事と違って、建築の仕事では土地や周辺環境をゼロから読み取って計画ができることが醍醐味。
今回は坂道の途中にある、もともと森だった土地から見える海の景色を気に入った施主から「居間から海を見える家を」との要望もあり、海側には海に対して横に長い水平の窓を、裏手の森側にはいくつかランダムに配置された窓を設けました。
家の中心には廊下が通っていて、横に倒した煙突のように暖炉の熱を通す役目を果たすと同時に、廊下を挟んで左右に団子状に部屋が連なる、平屋らしいシンプルなゾーニングとなっています。
素材には外壁に青森の県産材である杉を使用。年月をかけて変化をし、その場所に馴染むような素材を選定しています。屋根には地元の農家の納屋などに使われてきた板金を使用。素材の元来の色であるシルバーを塗装することなく、そのまま採用することで空の色を映し、晴れた日は青色、曇りの日は陰った色となり、自然に溶け込みます。
また、入り口には丸太をそのまま使った柱を立て、力強い印象を生み出している一方で、屋根に配した板金の厚さを薄くし、勾配の角度を少しきつくすることで、現代的にみせています。外壁に用いた杉の割付もなるべく細く、角の収めも簡潔に仕上げることで、端正な印象を作り出しています。
ディテールに配慮することで、洗練された山の家をつくることができたと思います。また、凛とした佇まいは自然素材というコントロールできないものの許容と共存で強度を増しています。