Museum of roadside art
2022.10 / Delivered
KENELEPHANT Co.,Ltd.
/ Client
Mukoujima, Tokyo, Japan
/ Location
225.23sqm
Hideki Makiguchi / Photographer
「都築響一コレクション大道芸術館 museum of roadside art」を設計しました。
東京都向島にある元料亭の建築を一件丸ごと改修しています。
昭和の息吹・大衆文化を現代アートとしてとらえたこの美術館では、1FにVIP ROOM、2F に BAR COUNTER、3Fには閉館した鳥羽伏見の秘宝館コレクションが置かれ、かつ各所に都築響一さんのアート・コレクションを展示する空間を作りました。
東京都向島にある元料亭の建築を一件丸ごと改修しています。
昭和の息吹・大衆文化を現代アートとしてとらえたこの美術館では、1FにVIP ROOM、2F に BAR COUNTER、3Fには閉館した鳥羽伏見の秘宝館コレクションが置かれ、かつ各所に都築響一さんのアート・コレクションを展示する空間を作りました。
MMA designed the 'Kyoichi Tsuzuki Collection Museum of roadside art'.
The entire building, a former ryotei (Japanese-style restaurant) in Mukojima, Tokyo, was renovated. The museum, which captures the breath of the Showa period and popular culture as contemporary art, has a VIP room on the first floor, a bar counter on the second floor and the closed Toba Fushimi adult museum collection on the third floor, as well as spaces to display Kyoichi Tsuzuki's art collection in various locations.
昭和の純喫茶、昭和の歌謡曲、昭和のラブホテル……
半世紀近く前の日常文化が、いま熱く語られている。半世紀前には生まれてすらいなかった若者たちによって。
いまだ日本最大の集客記録である 6千万人以上が集い「人類の進歩と調和」を目撃した、1970年の大阪万博で頂点に達したあの時代。あちこちの観光地に、祭の場に、路傍に咲いた昭和元禄の徒花たち。それはもう昭和を知らない若者の幻想にしか花を咲かせられないのか。美術館は珍しいもの、ひとつしかないものを集め見せてくれる。どこにでもあったもの、たくさんあったものは、ほとんど忘れられ、いつのまにか消えていくだけだ。
そうやって僕らはひとつ、またひとつ宝物を失っていく。失ってから気がつくことを繰り返しながら。
長いあいだ日本の路傍をさまよいながら、光と陰のあいだに矢のごとく消えていく文化のかけらを拾い集めてきた。そのいくつかをここに見せる場ができて、失われた文化の残像だけでも甦らせることができたら、もう半世紀近くなった僕の旅もまったく無駄ではなかったことになるだろう。
都築響一