SUNTORY WHISKY HAKUSHU DISTLLERY
TASTING LOUNGE
2023.10 / Delivered
SUNTORY HOLDINGS Ltd./ Client
Hokuto,Yamanashi,Japan/ Location
263.44sqm
Hideki Makiguchi / Photographer
サントリー白州蒸溜所50周年という記念の年に合わせ、Tasting Loungeを設計しました。
このサントリー白州蒸溜所は北杜市白州町に位置し、小淵沢の駅から車で15分程の場所にあります。敷地内にはウイスキーを製造する施設、博物館、Tasting Lounge、そしてギフトショップがあり、蒸溜所見学も可能。施設全体で1日中楽しく過ごせる場所です。
サントリーは森林保全を行っており、白州工場内にもバードサンクチュアリという四季を通じて様々な野鳥が観測できる豊かな森を守るエリアがあり、自然と一体となった工場を体験することが出来ます。敷地の正面には甲斐駒ヶ岳を望み、標高700mの澄み渡る大気と約82万m2もの広大な森に包まれるこの地は、「森の蒸溜所」とも呼ばれています。このように、白州の地で育まれた清冽で良質な水を生み出す自然豊かな場所に白州蒸溜所があり、サントリーがこだわった自然環境と水を感じる事が出来ます。
TASTING LOUNGE
Tasting Loungeは工場敷地内に位置し、元々は様々な用途で使われるホールのような場所でした。今回その場所を改修し、”ウイスキーを緑豊かな環境で楽しんでもらう為の場所”へと新たに作り変えました。
Tasting Loungeから見える自然を主役に、印象的な仕掛けをいくつか設計の中に取り入れました。
当初掃き出し窓だった正面の窓は、Tasting Loungeを囲む木々を綺麗に見せる為のピクチャーウィンドウになるように刷新しました。
ピクチャーウィンドウの前には12mのウイスキーの樽材を再利用したビッグカウンターを配置。この空間において大きな存在感を放っています。日中のみの営業なので、強い日差しによりウィンドウから望む美しい緑が光の反射光で見えにくくなるのを避けるために、ビッグカウンターは墨染色にし、あえて色を暗く落とすことで、豊かな自然と窓から望める天然の緑がより映えるようにしました。
また屋内にいてもその豊かな自然を感じてもらえるように、屋外の緑を中に取り込む仕掛けとして、カウンター上部にアルミ素材の下がり天井を設計しました。移りゆく光や森の緑色が反射し、屋内に入ってきます。
大人数でのイベント利用の為のホール用途も残しつつ、カウンター席、テーブル席と2シーン作りました。手前には白州エリアがもつ自然のストーリーを伝えるSiinSiin制作のインスタレーションを設置。空間全体は天井が高くダイナミックな構成はそのままに、窓側の緑に向かって絞るようなデザインにしています。
MATERIALS
デザインの各所にMMA Inc.らしい素材へのこだわりも感じてもらえるような仕掛けも施しました。
ビックカウンターと各テーブルには、サントリー蒸溜所のストーリーを手で触れて感じてもらえるように、白州蒸溜所で使用されていたウイスキー樽材を再利用しました。
また、GGGに吹きガラスで制作を依頼したカウンター上のガラス照明は、私たちが初めて白州蒸溜所に訪れた際に見た、南アルプス北部の主峰である甲斐駒ヶ岳の印象から作り上げました。これらはサービススタッフ側とお客様側とを機能的に分ける役割も果たしています。
カウンター正面のガラス演出も同様にGGG制作で、ガラス本来のトロッとした質感が近隣を流れる川の色や南アルプスの水を想起させます。
空間の正面と背面の壁面には、左官職人の都倉達弥氏に黒土を使用し左官で仕上げてもらいました。左官仕上げにすることで、空間にしっとりとした質量と動きを与えてくれます。また、SiinSiinのインスタレーションをのせる白い床は、白州で産出される花崗岩を砕いて左官し、最終仕上げで研ぎ出しました。
施設内全体のトーンは、明るく落ち着いた印象になるように工夫し、自然素材をメインに現地で産出される素材や再利用材を使用することで、素材というアプローチからも白州蒸溜所のストーリーも感じてもらえる空間に仕上がりました。季節によって移り変わる自然の景色を取り込むTasting Loungeを、四季折々で楽しんでもらえます。
このサントリー白州蒸溜所は北杜市白州町に位置し、小淵沢の駅から車で15分程の場所にあります。敷地内にはウイスキーを製造する施設、博物館、Tasting Lounge、そしてギフトショップがあり、蒸溜所見学も可能。施設全体で1日中楽しく過ごせる場所です。
サントリーは森林保全を行っており、白州工場内にもバードサンクチュアリという四季を通じて様々な野鳥が観測できる豊かな森を守るエリアがあり、自然と一体となった工場を体験することが出来ます。敷地の正面には甲斐駒ヶ岳を望み、標高700mの澄み渡る大気と約82万m2もの広大な森に包まれるこの地は、「森の蒸溜所」とも呼ばれています。このように、白州の地で育まれた清冽で良質な水を生み出す自然豊かな場所に白州蒸溜所があり、サントリーがこだわった自然環境と水を感じる事が出来ます。
TASTING LOUNGE
Tasting Loungeは工場敷地内に位置し、元々は様々な用途で使われるホールのような場所でした。今回その場所を改修し、”ウイスキーを緑豊かな環境で楽しんでもらう為の場所”へと新たに作り変えました。
Tasting Loungeから見える自然を主役に、印象的な仕掛けをいくつか設計の中に取り入れました。
当初掃き出し窓だった正面の窓は、Tasting Loungeを囲む木々を綺麗に見せる為のピクチャーウィンドウになるように刷新しました。
ピクチャーウィンドウの前には12mのウイスキーの樽材を再利用したビッグカウンターを配置。この空間において大きな存在感を放っています。日中のみの営業なので、強い日差しによりウィンドウから望む美しい緑が光の反射光で見えにくくなるのを避けるために、ビッグカウンターは墨染色にし、あえて色を暗く落とすことで、豊かな自然と窓から望める天然の緑がより映えるようにしました。
また屋内にいてもその豊かな自然を感じてもらえるように、屋外の緑を中に取り込む仕掛けとして、カウンター上部にアルミ素材の下がり天井を設計しました。移りゆく光や森の緑色が反射し、屋内に入ってきます。
大人数でのイベント利用の為のホール用途も残しつつ、カウンター席、テーブル席と2シーン作りました。手前には白州エリアがもつ自然のストーリーを伝えるSiinSiin制作のインスタレーションを設置。空間全体は天井が高くダイナミックな構成はそのままに、窓側の緑に向かって絞るようなデザインにしています。
MATERIALS
デザインの各所にMMA Inc.らしい素材へのこだわりも感じてもらえるような仕掛けも施しました。
ビックカウンターと各テーブルには、サントリー蒸溜所のストーリーを手で触れて感じてもらえるように、白州蒸溜所で使用されていたウイスキー樽材を再利用しました。
また、GGGに吹きガラスで制作を依頼したカウンター上のガラス照明は、私たちが初めて白州蒸溜所に訪れた際に見た、南アルプス北部の主峰である甲斐駒ヶ岳の印象から作り上げました。これらはサービススタッフ側とお客様側とを機能的に分ける役割も果たしています。
カウンター正面のガラス演出も同様にGGG制作で、ガラス本来のトロッとした質感が近隣を流れる川の色や南アルプスの水を想起させます。
空間の正面と背面の壁面には、左官職人の都倉達弥氏に黒土を使用し左官で仕上げてもらいました。左官仕上げにすることで、空間にしっとりとした質量と動きを与えてくれます。また、SiinSiinのインスタレーションをのせる白い床は、白州で産出される花崗岩を砕いて左官し、最終仕上げで研ぎ出しました。
施設内全体のトーンは、明るく落ち着いた印象になるように工夫し、自然素材をメインに現地で産出される素材や再利用材を使用することで、素材というアプローチからも白州蒸溜所のストーリーも感じてもらえる空間に仕上がりました。季節によって移り変わる自然の景色を取り込むTasting Loungeを、四季折々で楽しんでもらえます。