THE WINE STORE
2014.06 / Delivered
Private customer / Client
Nakameguro,Tokyo,Japan / Location
30sqm
Momoko Kudo / DAIKEI MILLS
Hideki Makiguchi / Photographer
東京・目黒通り沿いの古いビルの1階。天高があり、足元はいきなり土という元鉄工所跡をワインストアに再生させるというインテリア設計です。
依頼主はビオワイン好きの女性オーナー。「長い時間を経てきた場所は、手間暇がかかり生産までやはり長い時間を要するビオワインにも通じる」という彼女の言葉もヒントになり、鉄粉や鉄工員が描いた設計図などが残るモルタルの壁はそのままに。一方でドアをはじめとする建具にはスチールを素とする磨き材を採用し、時間が経過すると付着するサビを落としながら何年もかけて完成していく素材を選びました。
また、鉄粉が蓄積し赤色化した足元の土を店舗が面する歩道際に少しでも残したかったのと、セラーに直射日光が当たらないように、外と内に設けた二重のドアに間にささやかな空間を作りました。。ドアの手前に踏石を置くことで、少し底上げしている店舗部分への出入りをスムーズにしました。
商業的には区画に対し目一杯を店舗とし、商品を少しでも多く陳列することが正解かもしれませんが、プロモーションだけで完結した店は、私には少々息苦しく感じられます。欲望にダイレクトにクリックするECでなく、実在の空間で、無駄な選択や時間すらも愛でるような買い物の付加価値を、建築の余白に見出せないかといつも考えています。
依頼主はビオワイン好きの女性オーナー。「長い時間を経てきた場所は、手間暇がかかり生産までやはり長い時間を要するビオワインにも通じる」という彼女の言葉もヒントになり、鉄粉や鉄工員が描いた設計図などが残るモルタルの壁はそのままに。一方でドアをはじめとする建具にはスチールを素とする磨き材を採用し、時間が経過すると付着するサビを落としながら何年もかけて完成していく素材を選びました。
また、鉄粉が蓄積し赤色化した足元の土を店舗が面する歩道際に少しでも残したかったのと、セラーに直射日光が当たらないように、外と内に設けた二重のドアに間にささやかな空間を作りました。。ドアの手前に踏石を置くことで、少し底上げしている店舗部分への出入りをスムーズにしました。
商業的には区画に対し目一杯を店舗とし、商品を少しでも多く陳列することが正解かもしれませんが、プロモーションだけで完結した店は、私には少々息苦しく感じられます。欲望にダイレクトにクリックするECでなく、実在の空間で、無駄な選択や時間すらも愛でるような買い物の付加価値を、建築の余白に見出せないかといつも考えています。